「セラビム」、これはなんだか、セラピム（熾天使）とケルビム（智天使）を合わせたような名前ですね。
セラビムというのは、1994年の時点で地球霊団の進化計画の立案や他星団との交流を役割をしておられたという「孔子」に関係が深い九次元大霊のことを指しています（『太陽の法』第１章９節「地球霊団の発足」、第４章１０節「九次元の悟り」参照）。孔子については、『太陽の法』第１章１節「仏法真理の太陽」で、孔子を中心とする儒教も仏法真理であったということが述べられていて、第４章１節「悟りとは何か」では、孔子の訓えは人間完成の道で、道徳的完成の極致であり、孔子は「道」を通して人間を教育的見地から悟らせようとしたと紹介されています。また、第４章５節「観自在」では、「心の欲する所に従って、矩（のり）を踰（こ）えず」と喝破した孔子の境地というのは、六大神通力（天眼、天耳、他心、宿命、神足、漏尽）の「漏尽」に相当するとのことです。漏尽というのは、高度な智慧の力（煩悩を滅尽する能力）であって、欲望に振り回されずに自由に超越する能力で、霊能力を持ったとしても丹念に心の錆び落としを続ける精進能力であると説明されていました。
『漏尽通力』では、改訂・新版へのまえがき（2020年4月10日付）で、「漏尽」の能力の説明として、伝統的な解釈では「煩悩を滅尽する力」であるが、「欲望に振り回されることなく、高度な霊能力が使える」というのは本来の仏陀による新説であると述べられていました。また、その極致というのが「霊的現象に振り回されず、その本質をすべて見通せる」となっています（『漏尽通力』第４章６節「漏尽通力の極致」）。
仏教や神道での「六根清浄」は、人間の感覚器官（眼・耳・鼻・舌・身・意）を清らかにした功徳でそれらの能力が最大限に発揮されるということですが、それは『般若心経』や『法華経』にある言葉で、古代の日本で天台系の山岳信仰に伝わったものが広まったようです。「六大神通力」のほうは、六師外道のことも記されている『沙門果経』に仏教での修行の果報として六神通（神足通、天眼通、天耳通、他心通、宿命通、漏尽通）の記述があるようです。六神通と六大神通力は、「神足」と「天眼」の順序が入れ替わっています。Wikipedia では「漏尽通」の解釈として、五分法身でいう「解脱知見」に似た説明がされているようですが、それだと神通力とは言いがたいように思います。
『観自在力』では、改訂・新版へのまえがき（2020年5月11日付）で、三明（宿命明、天眼明、漏尽明）と六神通についての解説が加えられていました。『観自在力』は最後のほうでは怪力鬼神とは違う意味で人智を超えたような宇宙の悟りが物理学で使われる概念を使って説かれていたように思いますが、第６章２節「如心と宇宙即我」では、孔子は学問をして知的レベルを高めて認識力が異常に拡大して「天帝」の意識が分かるような段階に達したときに地球に住む人間たちの宿命や生き方が手に取るように分かるという経験をしている、ということが述べられています。
歴史的には、漢の時代は儒教が国教となっても官吏（公務員）の登用は家柄で決まっていたようですが、隋・唐の時代以降は能力主義の科挙制度で儒教が採用されたことで立身出世に利用されるようになり、中世に朱子学が登場するまで「鬼神」について語られることがなかったそうなのですが、中国では道教や仏教が怪力乱神を語り尽くそうとしているので、儒教で特に扱う必要もなかったのかもしれません。妖怪研究家の荒俣宏氏によれば、孔子の一族は葬式の管理や葬礼を家業としていて霊とか魂とかの問題の専門家筋であったし、孔子自身は司馬遷の『史記』にある「韋編三絶」のエピソードに関係して「あともうちょっと寿命をくれたらこの『易経』のシステムを解明して、みんなに残すことができたのになあ」と悔しがったという話があるので、怪談話よりも魂や宇宙の問題のほうに関心があって、葬儀の礼に関係していたと同時に世界の運行を知るために「易」という学問を研究していたようです。「易」という字は「日」と「月」で成っているように、天体の運行とも関係の深い学問であったようです。初期のノストラダムスの霊言（1986年8月14日収録）でノストラダムスが「孔子」の意識体の下にいると言っていたのを思い出しますが、ノストラダムスは天上界の裏側の世界にいるとされていたと思いますので、その上の孔子も天上界の表側だけでなく裏側とも少し関係している可能性があるということになるのでしょうか。
孔子は「宿命」の能力をお持ちになられていたのか、易を機縁として得たと思われる悟りを弟子たちに語るには余命が充分でないことに気がついてしまっていたようですので、実際に孔子が易を学び始めたのはいつ頃だったのかということを考えてみると、「我れに数年を加え、五十にしてもって易を学べば、大過なかるべし」（『論語』述而第七）という言葉が遺っているので、亡命先の斉から魯に戻った頃は50歳ぐらいから始める予定だったものと思われますが、51歳ぐらいには中都の長官（宰）になってその翌年に建設大臣（司空）に昇進し、またその翌年から最高裁判官（大司寇）と外交官も務めたものの改革には失敗し、失脚して55歳頃に官を辞した後は諸国を放浪して69歳でまた魯に戻っているので、70歳ぐらいから本格的に学び始めて74歳で逝去されたのかもしれません。そうすると宇宙即我のような経験をしたのは晩年だったということで、それを解明して弟子に伝えるには余命が足りないということは神通力を発揮しなくても分かっていたことだったのかもしれません。
孔子は魯の国に長くいたので、放浪する前から近くにあった泰山には行ったことがあったでしょうが、放浪先で最南端の国は楚（首都は荊州にあった「郢（えい）」）だったようなので、もしかしたら洞庭湖の近くへまで行っていたかもしれませんね。諸国を放浪したものの、理想が高すぎたという考えもありますが、現実的に孔子に政治を任せて実権（権威・権力）を失わないぐらい優れた諸侯（周王の臣下）は見つからなかったという結果になったと思われますが、君子のあるべき姿である「道をめざして進み、途中で力が足りぬときは休めばよい。老いを忘れ、余命が充分でないことにも気がつかず、ひたすら毎日務め励んで怠らず、死の瞬間まで止めない」（『礼記』表記）というのが孔子の生き方であったそうなので、『太陽の法』で「漏尽」について述べられている「精進能力」があったというのも納得できますね。
2014年10月11日に収録された孔子の霊言（『孔子、怪力乱神を語る』所収）を読んでみると、超常現象や仙人的なものは老子の道教的なものとして線引きをして分けている感じがします。それでも、怪力乱神の代わりに当時の常識だったという「魂魄（こんぱく）」については語られていて、魂と魄では「魄」のほうが（地上の）肉体に近い四次元レベルの幽体にあたるということで、より高次元へ上がる場合には（天上の）霊魂となって魄は脱ぎ捨てることになるので、魄を自分だと思ってはいけなくて、仏教でいう「眼・耳・鼻・舌・身・意」で去らなければいけないものが魄であるということでした。幽霊の正体は「魄」で、五次元存在である霊の影となっている四次元存在という理解になりますが、三次元の肉体は霊の影であるという教えとも矛盾していません。霊言の最後のほうでは、質問者に宇宙の神秘に関わる仕事をしているのでオカルトではないかと問われていましたが、オカルトでなく近代的だと否定していましたので、新しい人種を呼んで魂を入れ替えるというのは、孔子にとっては占い師のような神秘的で超自然的な仕事ではなくて、近代外交的な仕事としてやっているということなのだろうと思われます。忙しそうですね。14億の魂をどこかへ運ばなければいけなくなるらしいのですが、1986年1月3日収録のいちばん最初の孔子の霊訓でも、人種の違いのことや、地球霊団が複数の異星の霊団で構成されていることや、宇宙としての霊団が混ざり合うことで宇宙全体が進化していくといったようなことは述べられていたようなので、『太陽の法』で書かれている1994年現在での「地球霊団の進化計画の立案や他星団との交流」という役割は、過去の1986年の時点でも、未来だった2014年の時点でも続けられていたということのようです。
ちなみに「怪力乱神（かいりょくらんしん）」を現代的に表現すると、「怪力」と「乱神」とに分ける説もあるそうですが、それらが天狗・仙人と鬼・妖魔・妖怪を指すなら天上界でも裏側は避けるというエル・カンターレの世界観に近くなる気がしますが、一字ずつ「怪・力・乱・神」で分けたとすると「怪奇（ミステリー）・暴力（ヴァイオレンス）・淫乱（ポルノ）・神秘（オカルト）」ということになるかもしれません。しかし、孔子に倣ってこれらを語らないという戒律を設けたりすると映画を含む多くの文芸作品は解説が制限されることになりそうですね。「礼楽をもって治める」を旨にしていた孔子は音楽を政治的にも活用していますが、音楽・美術・文学などの芸術を担当しているとされるゼウスのようにいろんな民族から人気がありすぎて神話で血縁を付けられたりすると後世になって浮気者だったように誤解される恐れはありますから、子孫繁栄にも善し悪しはあるかもしれません。世界の人口は増加傾向にありますが、人類の100億人計画というのを立てていたのが孔子だったと思いますが、100億人を超えないという意味で調整に入っていると思われます。本気かどうかは不明ですが、地上の人類が100億人を超えたら餌としてやってくるつもりの白鳥座系レプタリアンがいるといった話がありました（『宇宙人リーディング�機拌茖云蓮法�
『孔子、怪力乱神を語る』では、怪力乱神に当たるのかどうか分かりませんが、五次元世界にいるとされていた毛沢東（の霊）がどのような世界にいるかという質問に対して、「『黄金の法』が書かれた1987年頃は「文化大革命」が清教徒革命のように思われていた時代で、残忍な大量虐殺が行われていたことは十分に知られていなかったので、中華人民共和国の「マイナス部分」と「成功した部分」との比較衡量で判定されるべきという提言がなされていました。毛沢東については、『黄金の法』第２章９節「小人たちは踊る」では、わずかながら善の想いと行いのほうが多かったと判定されていたのですが、その後、『毛沢東の霊言』のあとがき（2018年12月28日付）にあるように「地球最大級の悪魔」と判定されていたので、善悪の境目（善悪を分ける基準線）が移動して相当な部分が悪へと転じたことになるのでしょうね。これは毛沢東の支持者が増減して心境が変わったというべきか、心境は特に変わってはいないが善悪の価値観が変わったと言うべきかは不明です。霊言では毛沢東自身は悪魔であるという自覚がなかったようです。
エル・カンターレが最高責任者である地球霊団では時代ごとに善か悪かを具体的に決定しているのが道徳的完成を担当しているゾロアスターとされているかと思いますが、ゾロアスターは幸福の科学の活動も視野に入れていて、中国で内部から改革をするために下生する計画を立てていたそうですので、敵対するものは悪魔だとしておいたほうが宗教的な活動がやりやすくもなるでしょう。善悪二元論的な世界観が特徴であるゾロアスター教系にも至高神はいますが、地上は終末まで善と悪とが戦う場であるという教えが基本にあるみたいですからね。将来的に百家争鳴の時代となったオーストラリアに出る可能性が示されているのは孔子のみだろうと思います。孔子を中心とする儒教も時代によって変容したようで、孔子のあとの儒教は大きくは孟子を中心とする性善説の学派と荀子を代表とする性悪説の学派に分かれました。法家を国教としていた秦が全国を統一した始皇帝の時代には周代以来の封建制が廃止されて中央集権体制となり、儒家や墨家の書物は焚書となってほとんど消えてしまったので仕方がなかったのかもしれませんが、漢の武帝の時代に国教となって公認された儒教というのは春秋公羊学の学者である董仲舒が作り上げた思想で、儒教の入門書である『論語』にはない神秘的な思想がいろいろ入ったようです。その董仲舒の儒教神学に対抗した学者として、合理主義的な無神論・唯物思想によって讖緯（予言）を否定した桓譚や王充が出て、その後、唐の時代の古文復興運動で排仏論を唱えた韓愈や、仏教も篤く庇護したものの無神論・唯物思想だった柳宗元といった人たちが出現して、後に「新儒教」と称される宋明理学（朱子学・陽明学）が成立する起因となったようですが、『地獄の法』第１章３節「この世の既成の権力によって霊的真実が否定された歴史」では「無神論・無霊魂説のように使われ、国の統治に利用された『孔子の儒教』」として、儒教が悪用されたパターンというのが簡潔にいくつも挙げられていました。漢の時代に儒教が国教となったときに道教などのいろいろな思想が入ったり、儒教が「礼教」とも言われたりするように、国教となる以前の儒教から変容したのは、ローマ帝国で公認されたときのキリスト教の教義に、数百年前の原始キリスト教にはなかった三位一体説などの神秘的な教義や政治的な影響がいろいろ入っていたのと似ているかもしれません。2010年1月1日の孔子の霊言（『「宇宙の法」入門』第１章）では、孔子としての業績とは別なものとして、「ヨーロッパに生まれて、ヨーロッパの統一を図るべく、神聖ローマ帝国をつくろうとした」と述べられたことがありました。
ローマ帝国のキリスト教神学で正統とされたのがアタナシウス派ですが、ヨーロッパでは多民族から成っていたフランク族は古来の多神教を信仰していて、キリスト教に改宗するのはヨーロッパの他の部族よりも遅かったのですが、フランク族として王権を確立してメロヴィング朝フランク王国を建てたクローヴィス１世がアタナシウス派のキリスト教に3000人以上の集団で改宗しました。また、ゲルマン系のランゴバルド人はオーディンを信仰する民族の一つでしたが、ローマ教皇グレゴリウス１世の時代の頃にはローマを包囲してキリスト教アリウス派を信仰するようになっていきました。フランク王国ではメロヴィング朝からカロリング朝に代わったピピン3世（カール大帝の父）のときに、メロヴィングの血統が断ち切られて易姓革命のようなことが起こっていますが、クーデターを正統化するために『旧約聖書』にあるイスラエルの塗油の儀式を即位儀礼に導入して王権としての正統性を示しました。そのため、カール大帝の時代は『旧約聖書』が影響力を持っていて、カール大帝は文芸活動ではユダヤの王ダビデに擬していたといいます。『メシアの法』第２章「今、メシアが語るべきこと、なすべきこと」の最後のほうでは、ダビデのことに触れられています。
「油を注ぐ」という行為は、古代エジプトやヒッタイトで行われていた習慣にあったようですが、古代イスラエルでは「王」や「祭司」や「預言者」 が任職するときに油を注いで聖別するという意味をもっていたようで、ダビデは少年期に油を塗られて聖別された後、サウル戦死後にユダ族の王となったときと、エルサレムに都を築いてイスラエル12部族の王となったときで、合計３回は油を注がれたようです。
フランク人およびランゴバルド人の王となったカール大帝は、ドイツ西部の街アーヘンに宮殿を築いて道徳を重んじ、イングランドの高名な神学者アルクィンを招いて耳学問を好み、大家族の宮廷で高い教育水準を維持して古代文化の復興運動を支援しました。西暦800年には、庇護をしていたものの不品行の疑いをかけられていたローマ教皇レオ3世の裁判を主宰するためにローマへ赴きますが、聖ペテロ大聖堂では証言者がおらず教皇は潔白を宣言して無罪となり、逆に教皇を告発したローマ人2名はローマ法によって大逆罪と陰謀の罪によって死刑と判決されましたが、カール大帝は特赦を出してアルプスの北のフランク領への追放ということになったようです。カール大帝はクリスマスにサン・ピエトロ大聖堂での戴冠式で油を注がれたので、ローマ人からメシアと認められたことにはなりますね。しかし、これは油を注いだ教皇側の都合もあって、カール大帝自身はローマ人の王であるつもりは全然なくて、あくまでもキリスト教の守護者であるローマ帝国の統治者であり、戴冠後もローマ式の衣装とかは儀式のときの正装時以外は全然身に着けなかったようです（195cmぐらいの長身だったらしい）。なお、復活祭まで滞在したカール大帝がローマを出た数日後には、聖ペテロ大聖堂の屋根瓦の大部分が崩落するような大きな地震があったそうです。
カール大帝のローマ皇帝戴冠を聞いた東ローマ帝国では、コンスタンティノープルへ進軍してくるのではないかと恐れたようですが、カール大帝は東ローマ帝国で実権を握っていたエレーネ皇妃と結婚するという話があったようで、カール大帝がローマ帝国全体の皇帝として認められるという可能性のあるシナリオも用意されていたようです。しかし、フランク王国からの使節団がコンスタンティノーブルに到着した後に東ローマ帝国側でクーデターがあり、税務長官のニケフォロス１世が皇帝となったニケフォロス朝ではカール大帝に皇帝の称号を認めることを拒否し、続く皇帝ミカエル１世もカール大帝がフランク人の皇帝であることは南イタリアの一部とヴェネチアを譲り受ける代償として認めたものの、ローマ人の皇帝であることは認めなかったので、ローマ教会とコンスタンティノープル教会の偶像崇拝の禁止をめぐる対立と相まって、ローマ帝国は再び神聖ローマ帝国とビザンツ帝国とに分かれるシナリオになったようです。
カロリング朝フランク王国で父・ピピン３世の末期から始まっていたイスラム帝国アッバース朝との外交では、カール大帝はキリスト教徒にユダヤ教徒の通訳をつけて、西アジアの人工都市バグダードに「知恵の宝庫」を建設して繁栄をもたらしていたハールーン（イスラム帝国アッバース朝第５代カリフ）の宮廷に友好使節を派遣し、美しい更紗模様の織物を着たアラブ人（サラセン人）が返礼に来たとされています。カール大帝の宮廷ではハールーンを「ペルシアの王」と呼んでいますが、アルクィンが「世界はヨーロッパとアフリカとインドに３分割されている」という認識をしていたので、カール大帝も東ローマ帝国より東にあったイスラム帝国をもヨーロッパの一部と認識していた可能性はあるのでしょうね。イスラム帝国が占領していたエルサレムでもキリスト教徒の聖地巡礼は認められていて、エルサレム大主教からの使節がアーヘンの宮廷へ３回来て、エルサレムの都市と聖墳墓の鍵をカール大帝に献呈しています。なお、カール大帝は象１頭の寄贈をハールーンに求めていて、約５年後に「アブル・アッバース」と名付けられた象が莫大な贈り物とともにバグダードからアーヘンに届いたものの、数年後にはデーン人との戦いの際に死んでしまったようですが、白い象だったという説もあるようです。「アブル・アッバース」という名は、ウマイヤ朝を倒したアッバース朝初代カリフでウマイヤ家一門の者を虐殺し、革命運動に参加したシーア派イスラム教徒までも殺害して王朝の安定化をはかったとされる人物の通称に因んでいますが、称号は「サッファーフ」で「救世主（メシア）」だけでなく「財を与える者」などの意味がある名でした。
カール大帝は72歳ぐらいで亡くなっていますが、西暦1000年には、神聖ローマ帝国ザクセン朝のオットー3世がアーヘン教会を訪れてカール大帝の墓を探し出したそうで、カールの遺骸は玉座に座ったかたちで掘り出され、装飾品は頭にかけられた黄金の十字架のペンダント１つだったとのことでした。2012年4月19日の人間的な部分に焦点を当てた孔子の霊示（『孔子の幸福論』所収）では、「キリスト教系の人物として出た」ということを自分の口から認めるのは好ましくないという理由で発言の取り消しをされていました。カール大帝の時代から数百年後には、分裂したものがさらに対立する傾向が進んで、キリスト教会の東西分裂（カトリック教会と正教会）やカノッサの屈辱（ローマ王とローマ教皇の対立）が起き、イスラムに対しては聖地エルサレムの奪還という錦の御旗を立てたような十字軍が派遣されたりもしていました。
『孔子、怪力乱神を語る』では「宗教指導者が敗れ続けてきた中国の歴史」として、後漢末期に張角を指導者として道教系の太平道の信者が起こした「黄巾の乱」や、清末期に洪秀全を天王とした「太平天国の乱」に言及し、妖魔のごとく扱われている指導者に救世主筋の人がいた可能性があるという意見も述べられています。「黄巾の乱」の後には、劉備玄徳を救世主として期待する人たちがいたけれども全天下統一には至らず、個人的には徳がなかったと思われた曹操でも能力があって天下統一寸前までいったりしていて、中国は個人主義の国とは違って集団で天国・地獄が決まるようなところがあって混沌としているとされていました。なお、『メシアの法』第３章「メシアの教え」では、中国の歴史についても述べられていて、洪秀全の話も少し含まれていました。
中国では、宋代に道教中心の思想体系で用語を古い儒教のものにおきかえた周敦頤などの「新儒教」が出現し、その宋学の流れを受けて南宋では朱子学が誕生し、朱子学を基にして「理気二元論」を中核とする「新儒教」が完成しました。朱子学は元朝や明朝で国教となりましたが、儒教は「礼教」といわれるように『論語』の礼の思想とは違った抑圧的社会をつくる制度として使われて清朝まで続きました。『黄金の法』第３章１０節「儒学の火は消えず」では、朱子の過去世は共和制ローマの末期にローマに生まれたキケロとされています。財務官としてシチリアに赴任したことがあるキケロは、アルキメデスの墓を発見したと言われる人でもありますね。ちなみにアルキメデスは自宅で砂盤に図形を書いて何か考えていたときにローマ兵に殺されたと言われていて、砂浜でローマ兵に殺された人はアルキメデスとは別人と考えられています。アルキメデスは宇宙空間を砂で埋めたら何粒になるかという問題を解いたり、てこの原理で地球を動かせるとか言ったりもしていますので、宇宙即我に類する体験していたとしても、『観自在力』に記されているような釈尊やイエスやモーセや孔子やゾロアスターやソクラテスのものとは全然違ったものであったことでしょう。
2010年8月19日の孔子の霊示が収録されている『世界の潮流はこうなる』第１章「孔子の霊言――政治編」では、幸福実現党に対して、10年粘ればおそらく一定の勢力は確保できると思うので、理想はすぐには実現しないが、宗教的な精進で批判に耐えることが大事だと語られていました。その宗教的な精進というのは、漏尽通力でいえば「漏尽」という能力のことであっただろうと思います。また、『朱子の霊言』のあとがきでは、2013年1月22日付で「もう10年の忍耐が必要か。」と綴られていました。その10年が過ぎた頃、詩人にもなられていた著者（大川隆法）はご予定よりずいぶん早く肉体から離れて死人にもなられていました。
セラビムというのは、1994年の時点で地球霊団の進化計画の立案や他星団との交流を役割をしておられたという「孔子」に関係が深い九次元大霊のことを指しています（『太陽の法』第１章９節「地球霊団の発足」、第４章１０節「九次元の悟り」参照）。孔子については、『太陽の法』第１章１節「仏法真理の太陽」で、孔子を中心とする儒教も仏法真理であったということが述べられていて、第４章１節「悟りとは何か」では、孔子の訓えは人間完成の道で、道徳的完成の極致であり、孔子は「道」を通して人間を教育的見地から悟らせようとしたと紹介されています。また、第４章５節「観自在」では、「心の欲する所に従って、矩（のり）を踰（こ）えず」と喝破した孔子の境地というのは、六大神通力（天眼、天耳、他心、宿命、神足、漏尽）の「漏尽」に相当するとのことです。漏尽というのは、高度な智慧の力（煩悩を滅尽する能力）であって、欲望に振り回されずに自由に超越する能力で、霊能力を持ったとしても丹念に心の錆び落としを続ける精進能力であると説明されていました。
『漏尽通力』では、改訂・新版へのまえがき（2020年4月10日付）で、「漏尽」の能力の説明として、伝統的な解釈では「煩悩を滅尽する力」であるが、「欲望に振り回されることなく、高度な霊能力が使える」というのは本来の仏陀による新説であると述べられていました。また、その極致というのが「霊的現象に振り回されず、その本質をすべて見通せる」となっています（『漏尽通力』第４章６節「漏尽通力の極致」）。
仏教や神道での「六根清浄」は、人間の感覚器官（眼・耳・鼻・舌・身・意）を清らかにした功徳でそれらの能力が最大限に発揮されるということですが、それは『般若心経』や『法華経』にある言葉で、古代の日本で天台系の山岳信仰に伝わったものが広まったようです。「六大神通力」のほうは、六師外道のことも記されている『沙門果経』に仏教での修行の果報として六神通（神足通、天眼通、天耳通、他心通、宿命通、漏尽通）の記述があるようです。六神通と六大神通力は、「神足」と「天眼」の順序が入れ替わっています。Wikipedia では「漏尽通」の解釈として、五分法身でいう「解脱知見」に似た説明がされているようですが、それだと神通力とは言いがたいように思います。
『観自在力』では、改訂・新版へのまえがき（2020年5月11日付）で、三明（宿命明、天眼明、漏尽明）と六神通についての解説が加えられていました。『観自在力』は最後のほうでは怪力鬼神とは違う意味で人智を超えたような宇宙の悟りが物理学で使われる概念を使って説かれていたように思いますが、第６章２節「如心と宇宙即我」では、孔子は学問をして知的レベルを高めて認識力が異常に拡大して「天帝」の意識が分かるような段階に達したときに地球に住む人間たちの宿命や生き方が手に取るように分かるという経験をしている、ということが述べられています。
歴史的には、漢の時代は儒教が国教となっても官吏（公務員）の登用は家柄で決まっていたようですが、隋・唐の時代以降は能力主義の科挙制度で儒教が採用されたことで立身出世に利用されるようになり、中世に朱子学が登場するまで「鬼神」について語られることがなかったそうなのですが、中国では道教や仏教が怪力乱神を語り尽くそうとしているので、儒教で特に扱う必要もなかったのかもしれません。妖怪研究家の荒俣宏氏によれば、孔子の一族は葬式の管理や葬礼を家業としていて霊とか魂とかの問題の専門家筋であったし、孔子自身は司馬遷の『史記』にある「韋編三絶」のエピソードに関係して「あともうちょっと寿命をくれたらこの『易経』のシステムを解明して、みんなに残すことができたのになあ」と悔しがったという話があるので、怪談話よりも魂や宇宙の問題のほうに関心があって、葬儀の礼に関係していたと同時に世界の運行を知るために「易」という学問を研究していたようです。「易」という字は「日」と「月」で成っているように、天体の運行とも関係の深い学問であったようです。初期のノストラダムスの霊言（1986年8月14日収録）でノストラダムスが「孔子」の意識体の下にいると言っていたのを思い出しますが、ノストラダムスは天上界の裏側の世界にいるとされていたと思いますので、その上の孔子も天上界の表側だけでなく裏側とも少し関係している可能性があるということになるのでしょうか。
孔子は「宿命」の能力をお持ちになられていたのか、易を機縁として得たと思われる悟りを弟子たちに語るには余命が充分でないことに気がついてしまっていたようですので、実際に孔子が易を学び始めたのはいつ頃だったのかということを考えてみると、「我れに数年を加え、五十にしてもって易を学べば、大過なかるべし」（『論語』述而第七）という言葉が遺っているので、亡命先の斉から魯に戻った頃は50歳ぐらいから始める予定だったものと思われますが、51歳ぐらいには中都の長官（宰）になってその翌年に建設大臣（司空）に昇進し、またその翌年から最高裁判官（大司寇）と外交官も務めたものの改革には失敗し、失脚して55歳頃に官を辞した後は諸国を放浪して69歳でまた魯に戻っているので、70歳ぐらいから本格的に学び始めて74歳で逝去されたのかもしれません。そうすると宇宙即我のような経験をしたのは晩年だったということで、それを解明して弟子に伝えるには余命が足りないということは神通力を発揮しなくても分かっていたことだったのかもしれません。
孔子は魯の国に長くいたので、放浪する前から近くにあった泰山には行ったことがあったでしょうが、放浪先で最南端の国は楚（首都は荊州にあった「郢（えい）」）だったようなので、もしかしたら洞庭湖の近くへまで行っていたかもしれませんね。諸国を放浪したものの、理想が高すぎたという考えもありますが、現実的に孔子に政治を任せて実権（権威・権力）を失わないぐらい優れた諸侯（周王の臣下）は見つからなかったという結果になったと思われますが、君子のあるべき姿である「道をめざして進み、途中で力が足りぬときは休めばよい。老いを忘れ、余命が充分でないことにも気がつかず、ひたすら毎日務め励んで怠らず、死の瞬間まで止めない」（『礼記』表記）というのが孔子の生き方であったそうなので、『太陽の法』で「漏尽」について述べられている「精進能力」があったというのも納得できますね。
2014年10月11日に収録された孔子の霊言（『孔子、怪力乱神を語る』所収）を読んでみると、超常現象や仙人的なものは老子の道教的なものとして線引きをして分けている感じがします。それでも、怪力乱神の代わりに当時の常識だったという「魂魄（こんぱく）」については語られていて、魂と魄では「魄」のほうが（地上の）肉体に近い四次元レベルの幽体にあたるということで、より高次元へ上がる場合には（天上の）霊魂となって魄は脱ぎ捨てることになるので、魄を自分だと思ってはいけなくて、仏教でいう「眼・耳・鼻・舌・身・意」で去らなければいけないものが魄であるということでした。幽霊の正体は「魄」で、五次元存在である霊の影となっている四次元存在という理解になりますが、三次元の肉体は霊の影であるという教えとも矛盾していません。霊言の最後のほうでは、質問者に宇宙の神秘に関わる仕事をしているのでオカルトではないかと問われていましたが、オカルトでなく近代的だと否定していましたので、新しい人種を呼んで魂を入れ替えるというのは、孔子にとっては占い師のような神秘的で超自然的な仕事ではなくて、近代外交的な仕事としてやっているということなのだろうと思われます。忙しそうですね。14億の魂をどこかへ運ばなければいけなくなるらしいのですが、1986年1月3日収録のいちばん最初の孔子の霊訓でも、人種の違いのことや、地球霊団が複数の異星の霊団で構成されていることや、宇宙としての霊団が混ざり合うことで宇宙全体が進化していくといったようなことは述べられていたようなので、『太陽の法』で書かれている1994年現在での「地球霊団の進化計画の立案や他星団との交流」という役割は、過去の1986年の時点でも、未来だった2014年の時点でも続けられていたということのようです。
ちなみに「怪力乱神（かいりょくらんしん）」を現代的に表現すると、「怪力」と「乱神」とに分ける説もあるそうですが、それらが天狗・仙人と鬼・妖魔・妖怪を指すなら天上界でも裏側は避けるというエル・カンターレの世界観に近くなる気がしますが、一字ずつ「怪・力・乱・神」で分けたとすると「怪奇（ミステリー）・暴力（ヴァイオレンス）・淫乱（ポルノ）・神秘（オカルト）」ということになるかもしれません。しかし、孔子に倣ってこれらを語らないという戒律を設けたりすると映画を含む多くの文芸作品は解説が制限されることになりそうですね。「礼楽をもって治める」を旨にしていた孔子は音楽を政治的にも活用していますが、音楽・美術・文学などの芸術を担当しているとされるゼウスのようにいろんな民族から人気がありすぎて神話で血縁を付けられたりすると後世になって浮気者だったように誤解される恐れはありますから、子孫繁栄にも善し悪しはあるかもしれません。世界の人口は増加傾向にありますが、人類の100億人計画というのを立てていたのが孔子だったと思いますが、100億人を超えないという意味で調整に入っていると思われます。本気かどうかは不明ですが、地上の人類が100億人を超えたら餌としてやってくるつもりの白鳥座系レプタリアンがいるといった話がありました（『宇宙人リーディング�機拌茖云蓮法�
『孔子、怪力乱神を語る』では、怪力乱神に当たるのかどうか分かりませんが、五次元世界にいるとされていた毛沢東（の霊）がどのような世界にいるかという質問に対して、「『黄金の法』が書かれた1987年頃は「文化大革命」が清教徒革命のように思われていた時代で、残忍な大量虐殺が行われていたことは十分に知られていなかったので、中華人民共和国の「マイナス部分」と「成功した部分」との比較衡量で判定されるべきという提言がなされていました。毛沢東については、『黄金の法』第２章９節「小人たちは踊る」では、わずかながら善の想いと行いのほうが多かったと判定されていたのですが、その後、『毛沢東の霊言』のあとがき（2018年12月28日付）にあるように「地球最大級の悪魔」と判定されていたので、善悪の境目（善悪を分ける基準線）が移動して相当な部分が悪へと転じたことになるのでしょうね。これは毛沢東の支持者が増減して心境が変わったというべきか、心境は特に変わってはいないが善悪の価値観が変わったと言うべきかは不明です。霊言では毛沢東自身は悪魔であるという自覚がなかったようです。
エル・カンターレが最高責任者である地球霊団では時代ごとに善か悪かを具体的に決定しているのが道徳的完成を担当しているゾロアスターとされているかと思いますが、ゾロアスターは幸福の科学の活動も視野に入れていて、中国で内部から改革をするために下生する計画を立てていたそうですので、敵対するものは悪魔だとしておいたほうが宗教的な活動がやりやすくもなるでしょう。善悪二元論的な世界観が特徴であるゾロアスター教系にも至高神はいますが、地上は終末まで善と悪とが戦う場であるという教えが基本にあるみたいですからね。将来的に百家争鳴の時代となったオーストラリアに出る可能性が示されているのは孔子のみだろうと思います。孔子を中心とする儒教も時代によって変容したようで、孔子のあとの儒教は大きくは孟子を中心とする性善説の学派と荀子を代表とする性悪説の学派に分かれました。法家を国教としていた秦が全国を統一した始皇帝の時代には周代以来の封建制が廃止されて中央集権体制となり、儒家や墨家の書物は焚書となってほとんど消えてしまったので仕方がなかったのかもしれませんが、漢の武帝の時代に国教となって公認された儒教というのは春秋公羊学の学者である董仲舒が作り上げた思想で、儒教の入門書である『論語』にはない神秘的な思想がいろいろ入ったようです。その董仲舒の儒教神学に対抗した学者として、合理主義的な無神論・唯物思想によって讖緯（予言）を否定した桓譚や王充が出て、その後、唐の時代の古文復興運動で排仏論を唱えた韓愈や、仏教も篤く庇護したものの無神論・唯物思想だった柳宗元といった人たちが出現して、後に「新儒教」と称される宋明理学（朱子学・陽明学）が成立する起因となったようですが、『地獄の法』第１章３節「この世の既成の権力によって霊的真実が否定された歴史」では「無神論・無霊魂説のように使われ、国の統治に利用された『孔子の儒教』」として、儒教が悪用されたパターンというのが簡潔にいくつも挙げられていました。漢の時代に儒教が国教となったときに道教などのいろいろな思想が入ったり、儒教が「礼教」とも言われたりするように、国教となる以前の儒教から変容したのは、ローマ帝国で公認されたときのキリスト教の教義に、数百年前の原始キリスト教にはなかった三位一体説などの神秘的な教義や政治的な影響がいろいろ入っていたのと似ているかもしれません。2010年1月1日の孔子の霊言（『「宇宙の法」入門』第１章）では、孔子としての業績とは別なものとして、「ヨーロッパに生まれて、ヨーロッパの統一を図るべく、神聖ローマ帝国をつくろうとした」と述べられたことがありました。
ローマ帝国のキリスト教神学で正統とされたのがアタナシウス派ですが、ヨーロッパでは多民族から成っていたフランク族は古来の多神教を信仰していて、キリスト教に改宗するのはヨーロッパの他の部族よりも遅かったのですが、フランク族として王権を確立してメロヴィング朝フランク王国を建てたクローヴィス１世がアタナシウス派のキリスト教に3000人以上の集団で改宗しました。また、ゲルマン系のランゴバルド人はオーディンを信仰する民族の一つでしたが、ローマ教皇グレゴリウス１世の時代の頃にはローマを包囲してキリスト教アリウス派を信仰するようになっていきました。フランク王国ではメロヴィング朝からカロリング朝に代わったピピン3世（カール大帝の父）のときに、メロヴィングの血統が断ち切られて易姓革命のようなことが起こっていますが、クーデターを正統化するために『旧約聖書』にあるイスラエルの塗油の儀式を即位儀礼に導入して王権としての正統性を示しました。そのため、カール大帝の時代は『旧約聖書』が影響力を持っていて、カール大帝は文芸活動ではユダヤの王ダビデに擬していたといいます。『メシアの法』第２章「今、メシアが語るべきこと、なすべきこと」の最後のほうでは、ダビデのことに触れられています。
「油を注ぐ」という行為は、古代エジプトやヒッタイトで行われていた習慣にあったようですが、古代イスラエルでは「王」や「祭司」や「預言者」 が任職するときに油を注いで聖別するという意味をもっていたようで、ダビデは少年期に油を塗られて聖別された後、サウル戦死後にユダ族の王となったときと、エルサレムに都を築いてイスラエル12部族の王となったときで、合計３回は油を注がれたようです。
フランク人およびランゴバルド人の王となったカール大帝は、ドイツ西部の街アーヘンに宮殿を築いて道徳を重んじ、イングランドの高名な神学者アルクィンを招いて耳学問を好み、大家族の宮廷で高い教育水準を維持して古代文化の復興運動を支援しました。西暦800年には、庇護をしていたものの不品行の疑いをかけられていたローマ教皇レオ3世の裁判を主宰するためにローマへ赴きますが、聖ペテロ大聖堂では証言者がおらず教皇は潔白を宣言して無罪となり、逆に教皇を告発したローマ人2名はローマ法によって大逆罪と陰謀の罪によって死刑と判決されましたが、カール大帝は特赦を出してアルプスの北のフランク領への追放ということになったようです。カール大帝はクリスマスにサン・ピエトロ大聖堂での戴冠式で油を注がれたので、ローマ人からメシアと認められたことにはなりますね。しかし、これは油を注いだ教皇側の都合もあって、カール大帝自身はローマ人の王であるつもりは全然なくて、あくまでもキリスト教の守護者であるローマ帝国の統治者であり、戴冠後もローマ式の衣装とかは儀式のときの正装時以外は全然身に着けなかったようです（195cmぐらいの長身だったらしい）。なお、復活祭まで滞在したカール大帝がローマを出た数日後には、聖ペテロ大聖堂の屋根瓦の大部分が崩落するような大きな地震があったそうです。
カール大帝のローマ皇帝戴冠を聞いた東ローマ帝国では、コンスタンティノープルへ進軍してくるのではないかと恐れたようですが、カール大帝は東ローマ帝国で実権を握っていたエレーネ皇妃と結婚するという話があったようで、カール大帝がローマ帝国全体の皇帝として認められるという可能性のあるシナリオも用意されていたようです。しかし、フランク王国からの使節団がコンスタンティノーブルに到着した後に東ローマ帝国側でクーデターがあり、税務長官のニケフォロス１世が皇帝となったニケフォロス朝ではカール大帝に皇帝の称号を認めることを拒否し、続く皇帝ミカエル１世もカール大帝がフランク人の皇帝であることは南イタリアの一部とヴェネチアを譲り受ける代償として認めたものの、ローマ人の皇帝であることは認めなかったので、ローマ教会とコンスタンティノープル教会の偶像崇拝の禁止をめぐる対立と相まって、ローマ帝国は再び神聖ローマ帝国とビザンツ帝国とに分かれるシナリオになったようです。
カロリング朝フランク王国で父・ピピン３世の末期から始まっていたイスラム帝国アッバース朝との外交では、カール大帝はキリスト教徒にユダヤ教徒の通訳をつけて、西アジアの人工都市バグダードに「知恵の宝庫」を建設して繁栄をもたらしていたハールーン（イスラム帝国アッバース朝第５代カリフ）の宮廷に友好使節を派遣し、美しい更紗模様の織物を着たアラブ人（サラセン人）が返礼に来たとされています。カール大帝の宮廷ではハールーンを「ペルシアの王」と呼んでいますが、アルクィンが「世界はヨーロッパとアフリカとインドに３分割されている」という認識をしていたので、カール大帝も東ローマ帝国より東にあったイスラム帝国をもヨーロッパの一部と認識していた可能性はあるのでしょうね。イスラム帝国が占領していたエルサレムでもキリスト教徒の聖地巡礼は認められていて、エルサレム大主教からの使節がアーヘンの宮廷へ３回来て、エルサレムの都市と聖墳墓の鍵をカール大帝に献呈しています。なお、カール大帝は象１頭の寄贈をハールーンに求めていて、約５年後に「アブル・アッバース」と名付けられた象が莫大な贈り物とともにバグダードからアーヘンに届いたものの、数年後にはデーン人との戦いの際に死んでしまったようですが、白い象だったという説もあるようです。「アブル・アッバース」という名は、ウマイヤ朝を倒したアッバース朝初代カリフでウマイヤ家一門の者を虐殺し、革命運動に参加したシーア派イスラム教徒までも殺害して王朝の安定化をはかったとされる人物の通称に因んでいますが、称号は「サッファーフ」で「救世主（メシア）」だけでなく「財を与える者」などの意味がある名でした。
カール大帝は72歳ぐらいで亡くなっていますが、西暦1000年には、神聖ローマ帝国ザクセン朝のオットー3世がアーヘン教会を訪れてカール大帝の墓を探し出したそうで、カールの遺骸は玉座に座ったかたちで掘り出され、装飾品は頭にかけられた黄金の十字架のペンダント１つだったとのことでした。2012年4月19日の人間的な部分に焦点を当てた孔子の霊示（『孔子の幸福論』所収）では、「キリスト教系の人物として出た」ということを自分の口から認めるのは好ましくないという理由で発言の取り消しをされていました。カール大帝の時代から数百年後には、分裂したものがさらに対立する傾向が進んで、キリスト教会の東西分裂（カトリック教会と正教会）やカノッサの屈辱（ローマ王とローマ教皇の対立）が起き、イスラムに対しては聖地エルサレムの奪還という錦の御旗を立てたような十字軍が派遣されたりもしていました。
『孔子、怪力乱神を語る』では「宗教指導者が敗れ続けてきた中国の歴史」として、後漢末期に張角を指導者として道教系の太平道の信者が起こした「黄巾の乱」や、清末期に洪秀全を天王とした「太平天国の乱」に言及し、妖魔のごとく扱われている指導者に救世主筋の人がいた可能性があるという意見も述べられています。「黄巾の乱」の後には、劉備玄徳を救世主として期待する人たちがいたけれども全天下統一には至らず、個人的には徳がなかったと思われた曹操でも能力があって天下統一寸前までいったりしていて、中国は個人主義の国とは違って集団で天国・地獄が決まるようなところがあって混沌としているとされていました。なお、『メシアの法』第３章「メシアの教え」では、中国の歴史についても述べられていて、洪秀全の話も少し含まれていました。
中国では、宋代に道教中心の思想体系で用語を古い儒教のものにおきかえた周敦頤などの「新儒教」が出現し、その宋学の流れを受けて南宋では朱子学が誕生し、朱子学を基にして「理気二元論」を中核とする「新儒教」が完成しました。朱子学は元朝や明朝で国教となりましたが、儒教は「礼教」といわれるように『論語』の礼の思想とは違った抑圧的社会をつくる制度として使われて清朝まで続きました。『黄金の法』第３章１０節「儒学の火は消えず」では、朱子の過去世は共和制ローマの末期にローマに生まれたキケロとされています。財務官としてシチリアに赴任したことがあるキケロは、アルキメデスの墓を発見したと言われる人でもありますね。ちなみにアルキメデスは自宅で砂盤に図形を書いて何か考えていたときにローマ兵に殺されたと言われていて、砂浜でローマ兵に殺された人はアルキメデスとは別人と考えられています。アルキメデスは宇宙空間を砂で埋めたら何粒になるかという問題を解いたり、てこの原理で地球を動かせるとか言ったりもしていますので、宇宙即我に類する体験していたとしても、『観自在力』に記されているような釈尊やイエスやモーセや孔子やゾロアスターやソクラテスのものとは全然違ったものであったことでしょう。
2010年8月19日の孔子の霊示が収録されている『世界の潮流はこうなる』第１章「孔子の霊言――政治編」では、幸福実現党に対して、10年粘ればおそらく一定の勢力は確保できると思うので、理想はすぐには実現しないが、宗教的な精進で批判に耐えることが大事だと語られていました。その宗教的な精進というのは、漏尽通力でいえば「漏尽」という能力のことであっただろうと思います。また、『朱子の霊言』のあとがきでは、2013年1月22日付で「もう10年の忍耐が必要か。」と綴られていました。その10年が過ぎた頃、詩人にもなられていた著者（大川隆法）はご予定よりずいぶん早く肉体から離れて死人にもなられていました。
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